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オフィスという固定費を持つ意味

当社は製造業支援を生業にしているが、オフィスは特に決まった場所はない。

というと語弊があるかもしれない。あえて言えば、PCの中がオフィスである。

基本的な情報共有は、メールよりもチャットが多い。また、FAXと電話は固定電話にかけると携帯に転送される。

従業員同士のファイルのやりとりはDropBoxというクラウド上のサービスでつねにシンクロさせている。

グループウェアは、Googleカレンダー、メールはGmail、名刺管理はEvernoteというドキュメント管理専門のクラウドウェアを使用している。現在の名刺は、パートナーの宇都宮のものも含めて5000枚以上ある。これらは、Iphoneから全て検索可能だ。

これらのアプリケーションは原則すべて無料で使える。

ワード、エクセル、PPTなどはもちろん購入したものだが、複数で共有するファイルは、GoogleDocumentsで共有している。

また、オフィスも午前中は自宅で作業を行い、東京・横浜とその日の打ち合わせ場所に近い場所を選択できるバーチャルオフィスを借りているので不自由はない。会議室は1時間500円を支払えばつかえるという次第だ。

登記のみ、実家のアパートの一室に登記してあるが、それもほぼ倉庫のような状態だ。

バーチャルオフィス・電話代・FAX代・登記している場所の賃料をあわせると約1万円が固定費だ。

製造業の場合は、設備の維持管理という意味で工場を持つ必要がでてくる、しかし、製造業の方々にお仕事を依頼するような事業形態や、ある種の知的生産をおこなうような事業形態の場合は、もはやオフィスさえ無駄になっていると言わざるをおえない。

知的生産をおこなう事業体は、この時代に、オフィスという高い固定費を支払い、生き残れないだろう。
固定費のある・なしが大きく効いてくるからである。

企画がに詰まった時に、自宅近くの無線LAN完備のカフェにゆくと、驚くほどに仕事が進む。人間の脳は外部の環境変化に大きく左右されるようだ。

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