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大企業にいる意味とは

本日、大手の製造業の購買担当者が集まる会に出席した。

2010年どんな年になるのかを、みんなで情報を出し合おうという会合である。

そこで、皆の口から出た言葉は、スキルをより高めないと、必要無くなる、つまりリストラの対象になるというまさに、危機迫る言葉だった。

高まる円高と、海外の安い労働力との競争。そう、国内で量産化するコスト的なメリットはぼぼ無い。

つまり、国内での量産化する案件はどんどん減っていって、必要無くなるので、国内量産工場で購買する仕事もなくなるということだ。

そこで出た意見としては、ルーチンの購買活動を行っている限りでは、購買業務そのものが、海外の日本語が堪能な外国人に替られてしまう。

戦略的な意志をもって、サプライヤー・設計者・品質管理・購買部門を精密にコーディネートすることが、これからの購買マンに必要とされる能力であると。

2010年間違いなく、大手・中堅は大リストラの波にあらわれる。そこではじき出された、技術者・購買担当者・営業・業務多くの人々が、いわいる企業内での経験しか無い。つまり自分たちが、自分たちの力で食べてゆく技能がないということだ。

2010年は、まさに、個人事業主元年といってイイだろう。
個人事業主として生きてゆくためには、どのような知識・知恵が必要か、どのようなインフラが必要か、それらを当社が提供することで、モノづくりの種をすこしでも国内に残すことができれば、当社の価値は十分にあると考えている。

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