2013年12月30日月曜日

zenmonoと禅の関係、それを生み出した理由。

zenmonoを今年生み出した理由と、来年の目標を今年最後のブログにしたためたいと思う。

まず、”makes' paltform zenmono”の以下ロゴを以下ご覧頂きたい。

 これは「ある人物」が坐禅をしている図である。そして、その「人物」が坐禅中に、肚(丹田)のあたりからあることに気がついた瞬間である。

 この、ある人物とは、わたし「三木」である。実はこれは、zenmonoを思いついたその瞬間を表したロゴなのである。わたくしの趣味のひとつは、自宅で毎朝行っている坐禅である。

 坐禅中にあることに気がついたこととは、

 それは、目に見える「お金」という資源と、目に見えない「共感、支援、感謝」など平等扱い、集める事ができるプラットフォームが必要だということだ。

 実は、その数ヶ月前から、すでにあるクラウドファンディングを行っている業界の方々との交流が数多くあり、クラウドファンディングを構築する構想を練っていた。しかし、クラウドファンディングはすでに数多くある上、クラウドファンディング業界の方々と話をしていて感じていたある違和感がわたしを、この業界に参入することにストップをかけていたのだ。

 その違和感とは、「お金」という資源さえ集まれば、プロジェクトを達成したい人々の夢は叶えられ、全てはうまくゆくというある思い込みである。それはクラウドファンディング業界関係者からも受けていたし、その方々に自分も影響を受けてしまっていたことへの違和感であった。

 本当に、「お金」だけ集まればプロジェクトは全てはうまく行くのだろうか。

 我々がそれまでに体験していた、モノづくり業界における「鍵」は、「お金」は重要なファクターであるが、「お金」だけでは完成度の高いモノづくりは実現できないといううことである。こちらのコラムにも書かれているように、先行している米国において、有名なクラウドファンディングサイトで資金的100%集まったものの、最後まで遂行されているプロジェクトは過半数ということも言われているらしい。また、こちらのレポートではindiegogoやkickstarterで過去に成立したハードウェア系プロジェクトがこれだけデフォルトしているというデータなどがレポートされて話題となっている。
 
 我々の経験から、完成度の高いモノづくりの「鍵」実はモノづくりに協力してくれるたくさんの町工場さんや、デザイナーさんや、マーケティングの支援をしてくれる人、販路開拓を支援してくれる人、その他多くの人びとの共感と協力であった。このあたりのことは、CAREER HACKさんのこちらの記事に取材されているので参考にしてほしい。



 ここで、突然だが、「奇跡のリンゴ」で有名な木村さんという方はご存知だろうか?リンゴ農家として、農薬に敏感な奥さんが苦しんだことをきっかけとして、無農薬でのリンゴ栽培は、「神の領域」と言われるほど困難な事だったそうである。

 完全無農薬のリンゴ作りにチャレンジし、11年間もの地獄のような極貧生活を体験し、リンゴの無農薬栽培を完成し、現在では自分の発見した無農薬農法を日本だけではなく世界に広めようと奮闘されている方である。

 木村さんの著書を何冊か読ませていただいたが、この成功の裏には木村さんを支えた、奥さんや子どもたち、木村さんの義父の励まし。そして「かまどけし」(ごくつぶし)と言われた木村さんを応援し続けた、数少ない友人の存在だったのだ。そう、「人とのつながり」「人の支援」がこの奇跡的な偉業の鍵だと感じている。

 仮に何らかのかたちで木村さんに膨大な「お金」が集まった場合を考えた場合、奇跡のリンゴは生み出せただろうか。仮にリンゴの無農薬栽培ビジネスとして考えた場合、投資的な視点から、成立し得なかっただろう。「お金」だけを頼りに、11年間もの間試行錯誤を続けることはできたかといえば、おそらく途中で諦めてしまったのではと感じるのである。

 「農業」というのは自然相手なのでとにかく時間がかかるもなのである。様々な試行錯誤をして、あるトライの最終的な結果が出るのは1年後という、気の遠くなるような長い時間の試行錯誤が必要なものである。

 そのような気の遠くなるような試行錯誤を木村さんがくぐり抜け、奇跡といわれるリンゴの無農薬栽培を成し遂げたのは、人の共感、サポートがあって成り立つものである。もちろん、そこには何らかの金銭的な支援があったほうが良かったのは間違いないが。。



 クラウドファンディングというと、ファンディング(資金調達)という意味で、「お金」だけに焦点をあて過ぎるというのが、わたしの違和感であった。

 だから、あえて自分たちのサービスをクラウドファンディングではなく、makers' platform (メイカーズのためのプラットフォーム)と呼んでいる。

 冒頭に述べたわたしの違和感は、人々が企画したプロジェクトを達成するために、「お金」という資源に焦点があたり過ぎてるというものであった。 お金は事業をする上で、最も重要な資源である。しかし、「お金」以外の資源も同じく重要である。だから、メイカーズプラットフォームにおいては、「お金」と「お金以外」の資源を平等に取り扱い、お金以外の資源も集められるようにした。

 「お金」は数字としてストレートに表現できる。だから、世間の注目は「目に見える成果」としての「お金」に集まりやすい。だから、人々は目に見えない様々な資源にも同じく価値があるということを忘れてしまうのだ。

 昨今、シリコンバレーでも自分の脳の機能の最大化として「禅」が注目されているということである。禅により脳の機能を最大化することで、優れたアイディアを自ら生み出すことができる。
 優れたアイディアがすぐに「お金」という資源に結びつきやすい、IT業界だからこその方法論としての「禅」なのであろう。禅を通じて生み出した優れたアイディア→優れたITサービスのビジネス化→目に見える「お金」という富の獲得というシンプルな思考の流れを追求しているのだろう。

 しかし、世の中には目に見える「お金」という資源だけではなく、「子供を思う親の気持ち」や「誰かが誰かを恋する気持ち」など目には見えないけれども、確固としてと存在している貴重なものもたくさんある。

 zenmonoに掲載する事業や、プロジェクト物事をうまく成就させるために重要なことは、「目に見える」資源としての「お金」、「製造設備」などの資源と、「目に見えない」資源である、「人の共感」、「人からの支援」、「人を想う心」、「感謝の心」などもプロジェクトを達成するための重要な「資源」と考えて同じようなハンドリングを行うことなのだと思う。

 われわれのzenmonoでもこの部分は、狙い通りにうまく機能しているとは言えないので、日々カイゼンのために試行錯誤(木村さんを見習って粘り強く)がつづいている。しかし、上記のような考えをもって、プラットフォームを設計していけば、からずワークしてくれるものであると考えている。



 (zenmonoのサービス・コンセプト図)

 「禅」がシリコンバレーなど世界にひろまりつつあること、すなわち日本人がこれまで大切にしてきた、「目に見えない世界」のことが現実社会の「目に見える世界」にどれほど大きな影響を与えるのかということに、感度が高いシリコンバレーという地域に集まっている人々が気がつき始めた証拠なのであろう。

 偶然なことに日本で最初に建立された、禅寺である建長寺がわたしが住んでいる鎌倉にある。また、鎌倉の周辺には多くの禅寺が存在している。その鎌倉からzenmonoが生み出されたことも偶然ではないとも感じている。禅を通じて生み出されたzenmonoが、かつては世界の人々が兼ね備えていた「目に見えないも」を感じ取る能力とその価値を世界にもう一度広めるということがわたしの来年以降の大きな目標になるであろうと感じている。

 来年は、zenmonoを英語化する予定である、そして、この鎌倉の地から世界の人々に日本のプロダクトと日本の文化、そして「目に見えない価値」と「お金」を平等に扱う重要性をより知ってもらおうと考えている。シリコンバレーにも行ければよいのだが。。

2013年12月30日

2013年9月19日木曜日

「マイクロモノづくり」とガンディーの「チャルカ」思想

「マイクロモノづくり」とガンディーの「チャルカ」思想

 インド建国の父であるマハトマ・ガンディー(「マハトマ」とは偉大なる魂の意味で愛称)と一緒に写っている糸車のことを「チャルカ」と言います。このチャルカは建国当時、インド国旗の中心のマークとなりました。現在のインド国旗でもその面影が見られます。

チャルカとガンディー(Wikipediaより)

建国当初のインド国旗(Wikipediaより)
チャルカが国旗の中心にある。

現在のインド国旗(Wikipediaより)

 当時イギリスの植民地にされていたインドは、原料の綿花を耕作し、それを輸出してイギリスから得たお金を、自分たちの輸出した綿花でつくられた布地を再びイギリスから買うことで吐き出すという状況でした。

 インド人が自分たちが栽培した綿花なのに、なぜわざわざイギリスから布地を買わなければならないのか・・

 ガンディーは国民がイギリスに依存する姿勢を改めるため、イギリスから布地を買うことを止め、自分たちで身につけるものは、すでに納屋にしまって数十年も経た「チャルカ」を納屋から出してきて、昔のように使い自分たちで生産した綿花を、自分たちで紡いで糸にし、それを自分たちの手でカディーという布地にして自ら身につける運動を展開することで、チャルカを独立運動のシンボルにしました。

 「マイクロモノづくり」の思想も、中小企業・メイカーズが大企業の下請けとなり、そこに依存する生き方を選択するのではなく、自分がいちばんのユーザーになり、自分が欲しいものを企画・開発・生産をして、自らが販売を行うという、「独立自尊」の精神を持って事業を展開して行くという意味で、全く同じ考え方を持った運動です。

 18−19世紀にイギリスから発祥した産業革命により、人々は安価に大量の製品を手に入れることができ、生活の「質」という意味では著しく向上しました。

 産業革命により、大規模な生産設備に多数の労働力を集め、生産を行うために、事業家に資本を貸し付け、「利子」という新たな冨を生み出す金融ビジネスも大きく成長しました。産業の発展と、金融ビジネスの発展は車の両輪のように互いに支え合いながら成長していったのです。

 正確な需要がつかめないものを、安価に販売するには、大量の材料を一度に仕入れることで、原価を低減させ、大量に生産を行い、そこに、流通費・宣伝広告費用などを上乗せして販売する事になります。市場予測が外れれば、当然大量の不必要な在庫を抱える事になります。

 必要のない在庫を市場に出してしまうと、製品価格が値崩れするために、当然廃棄処分となります。

 産業廃棄物処理工場に行くと、山のように積み上げられた未開封な新品在庫が廃棄処分を待っているとう現状を目の当たりにすることができます。上記のようなムダは、一極集中による資本とその流通の非効率に起因します。そのような現場の模様はわたしが取材した廃棄物処理のナカダイという会社の取材記事、「かわいい素材に黄泉(よみ)がえる廃棄物たち」 に詳細に書いてあります。

 大量販売しようとすれば、大資本により、大規模生産工場を建設し、大量の生産をおこなうことになります。しかし、この方式だと、本当に必要としている人の手元にその製品が届くまで非常な非効率で、無駄が発生するのです。



 それらの製品を生み出した、貴重な地球の資源を切り出して取り出されたエネルギーと原材料が、製品として一度も使用されないままに、そのままスクラップとして地中深く埋められてしまうとう行為が、資本主義経済に基づいた産業活動が日々繰り返されてきたのです。
 
 その根本は、一極集中による資本とその流通の無駄に起因します。大量販売しようとすれば、大資本により、大規模生産工場を建設し、大量の生産をおこなうことになります。

 しかし、この方式だと、本当に必要としている人の手元にその製品が届くまで非常な無駄が発生し、結果として大量廃棄を生み出すのです。

 

 多数のクラウドファンディングサービスの立ち上がりにより、銀行やベンチャーキャピタルを介さずに、個人から個人へ出資できる「お金の民主化」、そして3Dプリンタや3次元CADなどのテクノロジー、オープンソースハードウェア/ソフトウェアを用いた、「モノづくりの民主化」の2つの大きな流れは、一極集中型の非効率な資本と流通からモノづくりを開放します。

 そして、クラウドファンディングを使うことで本当に必要としている人が「モノ」を手に入れることができ、「モノ」が使用される近くで消費される最適化されたモノづくりを変えるでしょう。

 オープンソースハードウェア/ソフトウェアにより製品の設計図をダウンロードし、地元の鉄工所、町工場でこれまでの製造設備や3Dプリンターで製造すれば、コストはこれまでの大量生産製品の1/10で済みますし、お金は大手メーカーに吸い上げられることなく、その地域に流通します。

 その結果、これまでのように大量のお金は必要とされなくなります。お互いに顔の見えるコミュニティの中で、お金を介さない資源の交換をしていくことで、これまでお金を稼ぐために費やされていた時間を取り戻す事ができ、時間的には豊かな生活を手に入れることができます。そして必要なだけ生産し、必要に応じて消費されることで、ムダな廃棄もなくなります。(くわしくはオープンソースエコロジーorgを参照)


(参考:オープンソースエコロジー)

もちろん、3Dプリンターですべての「モノ」を作り出すことは出来ませんので、その地域に存在している「鉄工所」や「町工場」が、モノづくりの民主化を果たす大きな役割を担う事になります。

 現在当社のクラウドファンディング、zenmonoで実施している、「金属加工ができるメイカーズの秘密工場 メタルDIY」も、すでに地域の中にある「町工場」がモノづくりの民主化を推し進める事ができる基盤となるための可能性を持ったプロジェクトになります。

 「オープンソースハードウェア/ソフトウェア」、「クラウドファンディング」や「3Dプリンター」という新たなツールを手に入れた人類は、それらのツールを使いこなす思想を持たなければならないと感じています。

 その新たな思想のヒントはガンディーの「チャルカ運動」にあるのではないでしょうか。

2013年6月23日日曜日

ワクワク・トレジャーハンティングチャートというものを生み出した背景


ワクワクトレジャーハンティングチャートとは「マイクロモノづくり経営革新講座」の中で新規事業創造の過程でうみだされたツールで、これまでに数々の新規事業を生み出してきた、きわめてシンプルでかつ強力なツールです。

   人間には、本来「ワクワク」する心備わっています。

  これまでの右上がりの経済的成長を前提としたビジネスでは、自分が「ワクワク」することをビジネスとすることはある種のタブーとされてきました。  

 なぜならば、個別の個人のワクワクを取り組むより、分かりやすいニーズに対して、会社全体としてモノづくりやサービスの構築をしたほうが効率良く、製品が生み出せ、大きな売り上げにつながったからです。

  それぞれ個人の感じる「ワクワク」を追求する事は、趣味の領域として、ビジネスとは違ったカテゴリーに追いやられたのです。

  しかし、世界の経済の流れは変わりつつあります、特に日本を代表とする先進国においては、「モノ」や「サービス」が満ちあふれています。

  これまで、「頭の良い」一部の人間が企画したり、計画した製品やサービスを、組織的に生産し販売する事は、革新的な製品やサービスにつながることが少なくなり、ビジネスの成功にもつながりにくくなってきています。

  むしろ、そのような製品開発の仕方は、「会社」という大きな組織の中で、納期や予算にがんじがらめにされた技術者・開発者が非常に強いプレッシャーの下で生み出した製品は、知らず知らずのうちに、「いやいや」のマイナスのオーラーを含んだ製品になってしまったのです。これが、今の日本の製造業が「ワクワク」のオーラーを身にまとったすばらしい製品を生み出せない大きな理由だと考えています。

ワクワクトレジャーハンティングチャートは極めてシンプルかつ強力です。

  それぞれの個人が心から「ワクワク」する本当にやりたことを、自社あるいは自分の持っている技術で製品化することによって、ずっと情熱を傾けることができる、持続可能な製品開発をおこなうことができるのです。

  それは、「ワクワクトレジャーハンティングチャート」の秘密なのです。
こちらのチャートについてさらに詳しくご覧になりたいかたはこちらをご覧ください。