2016年8月30日火曜日

マインドフル・ビジネスについての考察(前半)

マインドフル・ビジネスについての考察(前半)



マインドフルネス」とは何か?


 マインドフルネスとは、その言葉のごとく「マインド(心の注意)」が「フル(満たされている)状態」、つまりは心がどこかに拡散していなく、自分のまわりで起きている事象に、すべての事柄に100パーセント集中している状態です。

 禅の言葉では「三昧」(さんまい)とも言い換えることができると思います。


 これまでの伝統的な仏教などの宗教の中で使われてきた「瞑想」をツールとして切り出し、宗教性を排除したうえで、瞑想を活用することで、今ここに集中し集中力やEQ,対ストレス性などの向上を目指す活動です。現在では、代替医療の現場や教育や経営で使われてきているものです。


 マインドフルネスの起源は、禅だとも、原始仏教だとも諸説ありますが、そのオリジンはテーラワーダ仏教におけるサティ(気づき)がベースになっていると説もあります。しかし、正確なところは正直わたしはわかりません。


 わかっていることは、1960年代に、米国カルファルニアで幾つかの禅道場ができたことをきっかけに、その後多くのアメリカ人が参禅をおこないました。影響を受けたアメリカ人とカウンターカルチャーなどが結びついた一部の神秘主義のブームが起きました。参禅したアメリカ人の中にはスティーブ・ジョブズ氏も含まれていたということです。


 このムーブメントの後、70年〜80年代にかけて次第にカルフォルニアから発信して米国の中に、禅が溶け込んでいきました。その後2000年代に入るとシリコンバレーのITベンチャーの経営者、従業員などが瞑想を行い、ストレスの低減、集中力向上、組織内での人間関係の円滑化などに効果があるということが経験的にわかってきたのです。


 最近では、脳波を測定することで、瞑想の集中力強化・ストレスの低減などの効果が科学的に証明されつつあり、米国のマサチューセッツ大学医学部では瞑想の医学的なアプローチからの研究論文が多数出版されていたり、スタンフォード大学ではマインドフルネスの正式な授業があるほどです。


 マインドフルネスは当初、GoogleやFacebookまたLinkedinなどのベンチャーでの導入が多かったようですが、現在では、IT業界では老舗のインテル社なども全世界の10万人の社員に対して社員教育の中で瞑想をワークショップの中にとりいれた研修プログラムを導入しています。


マインドフル・ビジネス


 欧米では5年ほど前から、このマインドフルネスな状態を一般人や企業に提供することをビジネスにする「マインドフル・ビジネス」といいうものが立ち上がってきています。日本でも今年から来年にかけて、このマインドフルな状態を提供するビジネスがたちあがって行くであろうとおもわれます。


マインドフル・ビジネスの定義を試みる


 これまでは、マインドフル・ビジネスとは、一般人や企業向けの研修などいわいる「教育」のカテゴリーのみと考えられてきましたが、あえて新たな切り口でマインドフル・ビジネスの定義をしなおしてみようと思います。




 あくまでも個人の定義ですが、「マインドフル・ビジネスの定義」を「人の心の能力向上を目的としたビジネス」と定義してみたいと思います。


 これまでは、マインドフル・ビジネスとは企業向け研修や、個人向けのカウンセリング、または代替医療などの一部の領域に限定されていました。しかしながら、各業界のなかにこの数年で「マインドフル」の萌芽が芽生えてきており一般にマインドフルビジネスとは関係がないと思われている領域でも、実は「マインドフル」になりつつあります。


 そこで、現在のあらゆる産業の中にすでに「マインドフル」な状態を作り出すという目的のビジネスがすでに含まれていると考えてみました。


 例えば、今流行の「IoT」産業の中にも、MUSEのように人間の体のバイタル情報をセンサーでキャッチし、それを自らにバイオフィードバックをかけ、自分自身の状態をモニタリングすることで、「マインドフルな状態」を自分で作り出すガジェットなどが登場しつつあるからです。


 またAI(人工知能)の業界においても、仮の話ではありまするが、悩みを抱えている人の話をひたすら傾聴することで、人の心を慰める作用をもたらしたり、また禅問答のような対話をすることで、人に気づきを与え、人の心の成長をたすけるようなAIが登場すれば、それは十分にマインドフルビジネスのカテゴリーに入ると思われます。


 つまり、それぞれの産業の中に「マインドフルな状態を目指す」製品やサービスなどが、すでにもう含まれており、それを切り出して合算すれば、大体の「マインドフル・ビジネス」世界市場規模になるのでは?と、ざっくりっと考えたわけです。


マインドフルネス・カンファレンス”Wisdom2.0”に見る、米国マインドフルネスの盛り上がり


 米国でマインドフルネスの盛り上がりを象徴する国際的なカンファレンスとしてWisdom2.0というものがあります。このWisdom2.0には、マインドフルネスを軸として、世界中から参加者が集まります。


 参加する人々のカテゴリーは、僧侶、心理学者、ビジネス・コーチ、コンサルタント、経営学者、人工知能研究者、ITエンジニア、企業家、社会企業家、アーティストなど実に様々な人々がアメリカだけではなく、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカから集まります。

 そのカンファレンスの盛り上がりを体感しようと、今年(2016年)の2月にサンフランシスコで開催されたカンファレンスに参加させていただきました。その会場の規模は、1室で2,000程度の人数を収容するくらいの部屋が数室あり。3日間で数10セッションが行われる大規模なものでありました。


 また会場では、マインドフルネスに関連したIoT関連機器、マインドフルネス授業として提供している大学、コンサルティング、マインドフルネス関連ビジネスに投資をしているVCなどのブースが設置され、カンファレンスというよりも、マインドフルビジネスのMTGポイントのような様相を呈していました。


 この会議の存在は、マインドフルネスに詳しい方に教えていただいたのですが、正直、昨年末までは全く知らない存在でした。しかし実際に参加してみると、その規模の大きさ、集まってきている参加者の多様性や、そのエネルギーに、ただただ驚くだけであったのです。


カンファレンスルーム(開始するとこの規模の会場が一杯になりました)


パネルディスカッションの模様


瞑想サポートIoTデバイス ”MUSE” の体験&販売ブース


 マインドフルネス専門雑誌 ”mindful”

熱気はドットコムバブル以前のインターネットカンファレンスと同じ


 このカンファレンスに参加して、感じたことは「マインドフル・ビジネス」の立ち上がりの可能性です。実際にこの会場に足を運び、そこで感じた熱気は、わたしが大学院生であった2000年以前のInterlopなどのインターネット関連のカンファレンスと同じでした。

 当時はまだインターネット・エンジニアが少なく、わたしが所属していたSFCでもインターネットを研究している研究室の学生の多くがカンファレンスのエンジニアとして駆りだされていたのを覚えています。


 そのように、当時インターネットは非常に限られた人間のみが、知識を専有している極めて専門的な分野であり、そのテクノロジーの可能性を理解できる人間も極めてわずかでした。


 当時、インターネットテクノロジーを用いてビジネスを創るにあたり、言われていたことは「基本的には無料で使えるインターネットを使って、どうやって利益を生み出すビジネスにするのか?」という矛盾をどう超えていくのかということでした。


 特に、現地・現物・現場を持つ製造業などから見れば、目に見えないインターネットなるものは、「まずはそんなものはビジネスにならない」という意見が多かったように思い出されます。


 2000年以前のインターネット業界とほぼ同じことがマインドフルネスの分野でも起こっている気がします。それは、瞑想や坐禅のような、言わばフリー(無料)で実践できるもので、どうやって収益が出るビジネスになるのかということです。まずは、ほとんどの実業者にとって「そんなものは、ビジネスにならない」ということなのだと思います。

 おそらくは、この業界にもバブル的なものはやってくるであろうということです、そしてそれが一段落した後、本物の価値を提供する企業が生き残り、この市場を拡大させていくのであろうということです。

 マインドフル・ビジネスの市場の広がりと規模に関しては、また次回のブログでお伝えしたいと思います。

2016年8月23日火曜日

禅に学ぶイノベーションのあり方 「脚下照顧」(きゃっかしょうこ)  〜イノベーションは外部ではなく、自分の足元にあり!〜

禅に学ぶイノベーションのあり方
「脚下照顧」(きゃっかしょうこ) 
〜イノベーションは外部ではなく、自分の足元にあり!〜


 日本のように成熟した市場で既存のビジネスに限界を感じている大企業は、「イノベーション」というキーワードのもと、新たな価値をうみ出そうとしています。


 様々な、「イノベーションの起こし方」なるツールが開発され 公開されているように感じされますが、そのツールを使うだけで本当にイノベーションが起こせるのでしょうか?

 私は、ツールではなく、イノベーション担当者の心のあり方に関して、我々がzenschoolという中小企業向けイノベーション講座を続ける中で得られた考えを示したいと思います。


Mee-too」イノベーション手がかり情報を外部に求める


 イノベーション担当になった製品開発担当は、製品の企画を求めて、世の中の情報を探ります。インターネットを通じて、たくさんのWEBの記事を参考に情報を集めます、またSNSなども活用しつつ、現在どのような製品が市場で流行りつつあるのかということも調査します。


 そこで担当者は参考になりそうな関連書籍をたくさん取り寄せ、読んでみたり、その業界の展示会に足しげく通い、情報を集めたりします。


 仮にこのようなイノベーションのスタイルを「Me-too」(ミー・トゥー:僕も!)イノベーションと名付けるとしましょう。Me-too(僕も)なので、その言葉のごとく、外部にある情報を元にして同じようなデザイン・同じような機能・同じような価格・同じようなビジネスモデルを参考にして、それらを複合的に組み合わせてビジネスイノベションを行うモデルです。


 世の中で手に入りそうな情報をひたすら集め、それを参考にビジネスを企画し、市場を予測していきます。イノベーションにおけるロジカルシンキングの罠でも申し上げましたように、外から得られた情報を元に、製品開発を行うと、非常に似通った製品が市場に氾濫するという事態が発生しやすくなるのです。


 インターネット時代の現在では、結果として世の中でえられる情報はほとんど同じな上、一定規模以上の企業がビジネスとして収益をえられる製品やサービスは必然的に似てしまうという結果となります。
 
 つまり、ほとんど同じようなコンセプトの製品が世の中に溢れ、結果としてレッドオーシャンの市場に突入してしまうということです。


 また、このMe-tooイノベーションには、積極的に外部とつながり、様々な会社や企業と連携をして新しい価値を生み出そうとする、「オープンイノベーション」の文脈とも一部重なることがあります。


 現在多くの大企業が、「オープンイノベーション」という文脈の上に、積極的に会社をオープンする取り組みを開始していますが、あまりにも外部の人間との交流が重なることで、「ところで、自分はなにをしたかったんだったけ?」となる現象も続出するのではないかと考えています。


 もう一点、Me-tooイノベーションにより生み出されたものは、社内的に評価されやすく、事業として進めやすくなる傾向にあり、担当自身はワクワクしていなくても、勝手に進んでいくことも多いと思います。


内的イノベーション(手がかりを自社の経営リソース・個人的な経験に求めるモデル)


 一方で我々が提案しているイノベーションのモデルが、外部にある情報をつかうのではなく、イノベーション担当者自身の中にある情報のみを使う、内的イノベーションモデルです。


 具体的には、イノベーション担当者が「10才の夏休みにどのような事にワクワクしてたのか?」ということを、マインドフルネス瞑想と内観瞑想を組み合わせて、同時にワクワクトレジャーハンティングチャートという物を使い、ワークして取り出してもらいます。


 内観瞑想を使って、非常に個人的な経験・体験を取り出しますので、外の人間は全く知らない完全なるオリジナルな情報です。そのオリジナルな情報に、自社あるいは個人の持つ技術や、すでに自社で持ち合わせている経営リソースを掛け合わせて新たなビジネスを生み出すイノベーションをするわけです。

 これですと、個人的なワクワク感、あるいは個人的なコンプレックス(例えば子供の時に家が火災にあったり、大病をしたりといったような経験)から来る根源的な感情は、何か新しい事業を行う際に、非常に大きなエネルギー源となります。

 結果として事業企画が担当者の自分ごととなり、どのような障害があったとしてもその事業を成立させるためにイノベーション担当者はあきらめることなく動き回ります。




イノベーションは自分の足元にあり!「脚下照顧」(きゃっかしょうこ)のススメ


 禅の言葉で「脚下照顧」(きゃっかしょうこ)という言葉があります。何か問題にぶつかった時の解決策は必ず自分の足元にあるという意味で使われる言葉です。


 既存の製品やビジネスモデルでは限界を感じ始めた企業の多くが「イノベーション」という言葉を手がかりに、しきりに外部との連携を模索しています。


 いわゆる「オープン・イノベーション」の流れです。自社や、各個人自分の中に「これをやりたい」というような確固とした軸がある企業や人間は、オープン・イノベーション的なアプローチで外部と積極的に繋がっていくことができると思います。


 しかしながら、自分自身の中に確固とした「これをやりたい」という中心軸が存在しないのに、自社のリソースを使って解決策を外部へ求めて、外部の企業やベンチャー、個人などと繋がっても、最初は新しい技術や価値に触れて、ワクワク・ドキドキなのでのでしょうが、結局「楽しかった、で、結局なにか新しい事業は生み出せたのか?」という問いに対して、「否」で終わってしまうのではないかと感じています。


 結局は、企業でも、個人でも自分自身の中心軸である、「これがやりたい」がないと、いくら繋がってもコラボレーションはできないのではと感じています。



脚下照顧(自分の足元を見つめ、自社の価値を見つめる)



 我々はこれまで、中小企業や大企業の中で新規事業を模索する経営者や担当者に向けてZENSCHOOL(ゼンスクール)を提供してきました。そのように新規事業を志向する方は、必ずと言っていいほど新たなものを求めて「外へ、外へ」と外部へアンテナを伸ばし始めます。


 しかしながら、外へ行っても見つかる新規事業のネタを見つけることはほとんどなく、どこかの企業がすでに実施しているようなビジネスを参考に事業計画をつくると、すでにそれは他社が先行している上に、自社にはそれほどの強みがないことから、途中で頓挫してしまうという事例をたくさん見てきました。


 ですから、新しい物を求めて外につながるよりも、これまでやってきた自社や自分の仕事を丁寧に腑分けし。その価値をもう一度整理し、再定義して、自社の価値を自分で認識することがオープンイノベーションを行う意味において非常に重要だとおもわれます。


 ただ、大企業の場合は、手がけてきた仕事や分野が非常に多岐に渡るため、自社の価値というものを再定義しようとしてもボヤけてしまうかもしれません。
 
 その場合には、その業界でも1位以外の事業分野の自社の価値をあえて切り捨て、自社の価値を徹底的に絞り込むことが重要だとおもいます。


 また、担当者も自社の価値を夢の中でも語れるぐらいに腹に落とし込んだうえで、外部とのつながりを模索していけば、自社に新たな価値を提供してくれるベンチャーや異業種と繋がれる可能性がでてくるとおもいます。


Me-tooイノベーションと内的イノベーションの成長の仕方の違い


 優れたアイディアや、技術などを外から調達する方式のMe-tooイノベーションと、すでに自社もしくは自分個人がもちあわせている自社の技術や価値をベースにするビジネスの成長の違いを考えてみましょう。


 Me-tooイノベーションの場合はすでに他社が先行して生み出した製品やサービスを模倣しつつかつそこに自社の経営リソースを組み合わせることでイノベーションを起こそうとします


 この手のビジネス・イノベーションにおいては、すでに先行したビジネスの「お手本」の参考情報が多々有るため、製品やサービスの完成度・クオリティの立ち上がりは比較的早くなります。


 立ち上がりが早いので、Me-tooイノベーションをウサギのイノベーションとも言い換えることができます。


 ただし、大元の企業が持っている製品に関する確固たる理念がなく、すでにある製品・サービスをいわば模倣した「劣化コピー」にすぎないため、立ち上がったあとの製品のクオリティ向上や、その製品やサービス自体がダイナミックに変化してオリジナルを超えるほどの価値を生み出すということは望めません。


 また、「劣化コピー」であるMe-tooイノベーションのビジネスは、すでに先行者も多いため、レッドオーシャンへ突入し、早い段階で市場に淘汰されてしまう可能性も高くなります。


イノベーションにおける「カメ」が「ウサギ」を抜き去る点が「特異点」


 それに対して、内的イノベーションから生み出された製品やサービスは、最初のコンセプトは「????」という感じで、ロジカルシンキング的なアプローチから見れば、どうしてそれが成長可能で、持続可能なビジネスになり得るのかわかりません。つまりは「儲かりそうもない」ビジネスに見えるわけです。

 また、最初は「儲かるビジネス」にはとても思えないので、利用できる経営資源も、支援してくれる人々もそれほど多くは集まりません。ですので、少ない資源でコツコツと開発を続ける「カメのイノベーション」とも言えるでしょう。



 例をあげれば、その昔ソニーさんが、その当時では画期的な、再生に特化した超軽量の音楽プレイヤーである「Walkman」を生み出した時、それまでは録音機能の無いカセットレコーダーは常識外でした、さらにそれをステレオヘッドフォンを使って歩きながら聞くというライフスタイルもありませんでした。


 したがって、仮に競合他社である他の電機メーカーがそれに近いアイディアを持っていたとしても、ロジカルシンキング的に考えて「儲からなさそう」であるために早い段階で手放してしまったのだろうと思われます。


 しかし、この企画に情熱を持った開発者は周囲の反対を押し切って、カメのように、じわじわと、コツコツと開発を続けます。最初は『????」なアイディアでも、コツコツと持続的に開発を続けることで、製品としてのクオリティや、提供する付加価値が徐々に上がっていきます。


 そして、内的イノベーション(カメのイノベーション)の持続t的な開発努力の総量が一定レベルを超えた段階で、製品クオリティは指数関数的に一気に上昇をします。そして、Me tooイノベーション(ウサギのイノベーション)で生み出された製品のもたらす付加価値も一気に抜き去るポイントがきます。わたしはこれをイノベーションにおけtる「特異点」と呼んでいます。

 このイノベーションの「特異点」を超えた内的イノベーション(カメのイノベーション)によるビジネスは、Me-tooイノベーション(ウサギのイノベーション)により生み出された製品のクオリティーや付加価値を一気に抜き去り、新たな市場を生み出し、その後長きにわたりその市場を支配することができる可能性を持っています。


それぞのれイノベーションの特徴



独自性
持続可能性
外からの批判に対して
Me too イノベーション
低い
低い
弱い
内的イノベーション
高い
高い
強い


 Me-tooイノベーションによりうみだされたイノベーションは外部の情報をもとに生み出されたイノベーションであるので当然「どこかで見たことあるな・・」というような製品やサービスの劣化コピーのイノベーションであることが多い当然競合も多くレッドオーシャンである市場に巻き込まれるので持続可能性は低いのです


 また、ロジカルシンキング上一見儲かるビジネスに見えるので、社内からの批判は少ないのであるが、仮に社内から批判を受けた場合は、企画者自身がオリジナルで生み出したイノベーションではないので、最後の最後で脆弱であることが多く、「儲からないからやめてしまえ」と、簡単にピボットを繰り返したり、あっさり事業を撤退してしまうことが多いのです。


 一方、企画者の内的なワクワク感や、コンプレックスから生み出された内的イノベーションの場合は、自分の外には無い完全なるオリジナルな情報からうみだされたものなので、独自性は高いのです。そのため、市場じたいに競合がなく、ブルーオーシャンであることがおおく、一旦成功すれば長い間その市場を独占する可能性があり、持続可能性は高いと考えられます。


 また、「一見儲からなさそう」なビジネスイノベションであるので、社内・社外からの批判はかなり多いが、個人的な意思がビジネスの根幹にあることが多いのて、多少の批判にはめげずに、じわじわとコツコツとシャドープロジェクトのごとく開発を続けることができるので、批判に対して比較的強いのです。

 以上、ここまで書いてきたことは、われわれが中小企業向けイノベーション講座であるzenschoolを16回積み重ねてきて5年間にわたり経験を積んできたなかで得られた知見であるのですが、最近では参加者に大企業のイノベーション担当部署の方も参加しており、中小企業も大企業も全く同じ現象が見受けられるので、それなにり普遍性が高い考え方であると感じています。

  このブログで書いたことは、すべてzenschoolを実施してきたことを参考にして生み出された知見です。zenschoolがどのようなイノベーション講座なのか、ご興味がある方は毎週火曜日の夜、体験会を実施しておりますので、参加いただければ幸いです。








2016年8月18日木曜日

大企業の「イノベーション担当」のメンタルは顔に出る

大企業の「イノベーション担当」のメンタルは顔に出る
〜こちらの方が正しいから、こちらの方が楽しいへ〜


Photo by Dustin J McClure


仕事上、大手企業の「○○イノベーション推進事業部」などという名刺に刷り込まれた方にお会いすることが多いのですが、新人で最近配属された若手の方はそうでもないのですが、ある程度の年齢になってその部署にいる方はかなりの確率で、軒並み暗い顔をされています。

 なかには、相当な焦燥感を顔の表情から感じられる方もいらっしゃいます。


 普通に考えたら、「○○イノベーション推進事業部」に配属されたら、とてもワクワクドキドキしてとても楽しくてたまらないという感じなのですが、現実は違うようです。


 これ、なんとなくわかります。ここからは単なる推察にすぎませんので悪しからず。。


 わたしの仮説は以下です、


 大企業の中の既存のラインの中で育ってきたサラリーマンは、これまでは部門の大方針があり、その大方針に基づいてパスされたボールを可も不可もなく上手に裁くことでサラリーマン人生を送ってきたのだと思います。


 そこに来て、「当社のリソースを活用しながら、新規事業のネタを探して欲しい」というようなザクッとしたミッションをわたされ、あとは放置プレイになるわけです。


 これまで、「これをやれ」、「あれをやれ」、「これ以外はやるな」(極端な表現ですみません、わたしも某大企業出身ですので、一応、実体験アリです)とか言われていた人たちです。


 籠(かご)の中で大切に育てられた鳥たちが、突然、鳥かごの出入り口を解放され、「どこへでも好きなところへ翔んでいっていい」とか言われるわけです。


 それは、最初は楽しくて、いろいろなセミナーやイベントに顔を出して様々な人々とつながり、刺激的な日々を送るわけです。時には土日や夜の時間も使ってイベントに参加します。


 そして、半年、1年経つわけですが、そこで、「事業の種は見つかった?」・・「そろそろ成果出せそう?」・・「もういい加減1年経つんだからさ」とだんだんプレッシャー強まるのではないでしょうか。


 インターネットで集めたような情報を元に、それなりに見栄えの良い事業プランは出せるのかもしれません。でも、自分の腹の底から生み出したビジネスプランではなく、すでに他社が開始したような事業を参考にして、自社の規模に応じてビジネスをスケールしまくった「水風船」のように膨らせまくった事業プランはさすがに魂の無さを、まま見抜かれます。


 上司にプランを出すと、当然、「よく聞くような事業アイディアだね」とか「当社のリソースはどこで活用出来る?」、「事業の特異性は、差別化は?」とかの千本ノックが来るわけです。


 おそらく、KPIで決められた期間でこれだけの新規案件を提出せよということなのだろうと思われますが、千本ノックを何回も経るとさすがにメンタルに来る方も多いでしょう。

 わたしも知る方で、何人かメンタル的に課題を抱えていらっしゃるように見受けられる方が多いです。


 そもそも、大企業の中で様々の部門間の軋轢を超え、全く新しいことを企画して、それを実行に移して、実際の成果をだす事は、ベンチャーを立ち上げて、そのまま上場に持ち込むこと以上に相当ハードなことです。


 中小企業やベンチャーならば、既存のステークホルダーが少ないのである程度の自由度があるかもしれませんが、大企業ならば幾つもの部署の調整作業を進めなければならず、調整作業だけでエネルギーの98%を消費してしまい、残りのわずか2パーセントのエネルギーで実行をしなければならないとか、ということも多いはずです。


 調整作業の中で何をやっているのかというと、ひたすら「こちらの方が正しい」ということを関係各部署に説明して口説くわけです。


 一方で、自分自身の体験から、心の底からやりたいと思うアイディアをベースに生み出した、事業プランの場合はどうでしょうか?
 
 「こちらが正しい」ということを説得のエネルギーにするのではなく、「こちらの方が楽しい、こちらの方がワクワクする」というエネルギーにした方が、当然圧倒的に自分のなかのストレスは低いはずです。


 我々が開催している、zenschoolでは、中小企業だけではなく、大企業のイノベーション担当部署のかたも参加されることがあります。


 参加した当初は顔色もすぐれず、事業の規模だけに固着した説明に終始していた方が、チームビルディングのためのワークやマインドフルネス瞑想、ワクワクトレジャーハンティングチャートを通じて、「本当に自分がやりたかったこと」に気がつくと、会社の持っている経営資源が大きいこともあり、かなりのレバレッジの効くビジネスプランを生み出すことができます。


 また、zenschoolでは、4名同時に受講するのですが、その中に中小企業の経営者が同期となる事が多く、サラリーマンを続けていただけでは気がつかなかった、中小企業経営者の実行力や決断力から学ぶことも多く、自社製品やサービスを生み出す同志ともいうべき仲間もできます。利害関係がまったくないので、お互いの苦労を定期的に意見交換するなどこころ強い仲間が会社の外にできます。


 そのような担当者の方の顔は、まさに「こちらの方が正しい」から、「こちらの方が楽しい」にシフトしていて。、本当にスッキリすっとして、美しい顔に変わっているということが多々あります。(あくまでも、個人の感想です) 


 そのように、その方の顔が大きく変化すると、セミナーや、セミナー終了後、1年間の間、毎月1回現状をききながら、アドバイスをするフォローアップのあとに、「本当にこの仕事をしていてよかった」と、勝手に悦に入ってしまうということがたくさんあります。


 人の表情はそれほど、人の心を映し出す鏡なのだと感じたものでした。

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